さる1月16日と17日の両日、東京の日比谷公会堂等に全国で交通事故防止活動を推進している指導者、交通栄誉章の受賞者など2,000人余が集うなどして、「第54回交通安全国民運動中央大会」が盛大に開催されました。
この大会は、交通事故防止・交通安全に係わる各分野の関係者が一堂に会し、決意を新たに一層強力な国民運動を展開することを目的に、全日本交通安全協会が設立された昭和36年から毎年開催しているもので、警察庁との共催、内閣府、文部科学省、国土交通省の後援を得て開催しています。
今井敬・全日本交通安全協会会長あいさつ
第1日目は、東京・新宿区市谷本村町のホテルグランドヒル市ヶ谷に、全国で交通事故防止活動を展開している方々400人余が出席し、地域・家庭、交通安全教育、企業の3部会に分かれて分科集会を開催しました。
都道府県の交通安全協会、交通安全母の会の役職員など、全国各地で交通事故防止活動を推進している130人余が出席。科学警察研究所交通科学部付主任研究官の田久保宣晃先生が「最近の交通事故の特徴とこれからの交通安全~事故は何を物語っているか~」と題して基調講演を行った後、主要議題の「地域における交通安全活動の推進方策及び交通安全に果たす家庭の役割、特に高齢者と幼児・子供の事故防止」について5組から発表があり、警察庁と内閣府の担当者による指導助言後、全員で討議を行いました。
基調講演を行う田久保先生
意見発表を行う中村榮子さん(岡山県)
交通安全協会の役職員、警察官、県・市町村の職員、二輪車安全運転指導員、幼稚園・小・中・高校の教諭など130人余が出席。交通コラムニスト・(一社)交通工学研究会技術顧問の木戸伴雄先生が「交通安全でおもてなしを~日本の交通安全文化~」と題して基調講演を行い、次に、主要議題の「主として幼児、小学生、中学生、高校生、高齢者に対する交通安全教育の在り方及び効果的な実施方法」について5組から発表があり、警察庁と文部科学省の担当者からの指導助言後、全員で討議を行いました。
基調講演を行う木戸先生
意見発表を行う望月滝貴さん(静岡県)
企業の経営者、安全運転管理者、運転者、安全運転管理者組織の役職員など120人余が出席。獨協医科大学准教授の一杉正仁先生が「体調管理と自動車運転~病気に起因する事故を予防するために~」と題して基調講演を行った後、主要議題の「企業における交通安全教育、交通安全活動の推進方策」について5組から発表があり、警察庁と国土交通省の担当者からの指導助言後、全員で討議を行いました。
基調講演を行う一杉先生
意見発表を行う新美政衛さん(愛知県)
第2日目の本会議は、日比谷公会堂に秋篠宮同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、内閣総理大臣などのご来賓、受賞者、前日の分科集会に出席した交通安全指導者など2,000人余が出席して開催しました。
午後2時、司会の中田薫元NHK放送博物館館長が本会議の開会を宣言しました。国歌斉唱、交通事故犠牲者に対する追悼の黙とうの後、今井敬会長が「交通安全思想普及の国民運動を一層力強く推進する決意をここに新たにする」とあいさつし、御臨席の秋篠宮殿下からおことばを賜りました。
次いで、安倍晋三内閣総理大臣、伊吹文明衆議院議長(司会者代読)、山崎正昭参議院議長、古屋圭司国家公安委員会委員長から来賓あいさつをいただきました。
おことばを述べられる秋篠宮殿下
安倍晋三内閣総理大臣の来賓あいさつ
山崎正昭参議院議長の来賓あいさつ
古屋圭司国家公安委員会委員長の来賓あいさつ
その後、表彰に移り、交通栄誉章・緑十字金章と同銀章受賞者の代表4人に対し、米田壮警察庁長官から警察庁長官・全日本交通安全協会会長連名の表彰状が、今井会長から交通栄誉章が、それぞれ贈られました。
受賞者は、緑十字金章の交通安全功労者・優良安全運転管理者が105人、優良運転者が44人、緑十字銀章の交通安全功労者・優良安全運転管理者が370人、優良運転者が213人でした。
また、緑十字金章・銀章受賞者の配偶者には感謝状が贈呈されました。
警察庁長官から表彰状が、今井会長から交通栄誉章が贈られた
続いて、交通安全優良団体43団体、交通安全優良事業所92事業所、交通安全優良学校48学校、優良交通安全協会58協会、優良安全運転管理者協議会49協議会の代表に、今井会長から表彰状が贈られました。
また、長年にわたって交通安全事業を積極的に推進し、交通事故防止に多大な貢献をされた全国共済農業協同組合連合会に、今井会長から感謝状が贈られました。
交通安全優良団体等の代表に表彰状が贈られた
交通安全協力団体として全国共済農業協同組合連合会に感謝状が贈られた
次いで、交通安全年間スローガンと交通安全ファミリー作文の最優秀入選者の代表に内閣総理大臣賞が、安倍総理大臣から贈られました。
平成26年使用交通安全年間スローガンの最優秀入選者は、運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるものが福島重幸さん(宮崎県)、 歩行者・自転車利用者へ呼びかけるものが江島昭雄さん(福岡県)、こども部門が川原﨑大夢さん(静岡県、小6)でした。
また、交通安全ファミリー作文の最優秀入選者は、小学生の部が木戸瑛梨子さん(栃木県、小4)、中学生の部が門田桃子さん(宮崎県、中2)、一般(高校生以上)の部が池松俊哉さん(京都府)でした。
年間スローガン(写真上)、ファミリー作文(写真下)の最優秀入選者代表に内閣総理大臣賞が贈られました
表彰が終わり、前日の分科集会でまとめられた部会報告に基づいて作成された大会宣言案を、坪内恊致全日本交通安全協会副会長が朗読し、満場一致で採択されました。
最後に、司会から閉会の言葉があり、第54回交通安全国民運動中央大会を終了しました。