全国の小学校児童を対象とした「第50回交通安全子供自転車全国大会」が、8月5日、東京都江東区有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催され、団体では、愛媛県内子町立内子小学校が優勝しました。また、個人では、広島県北広島町立芸北小学校の山脇平選手が優勝しました。
交通安全教育は、人格や行動習性の形成期にある子供のうちから行うことが効果的であり、この趣旨のもとに、小学校児童に対して、自転車安全教室等による安全教育が行われています。
この大会は、この教育効果を一層高めるため、自転車競技を通じて自転車の安全走行に関する知識と技能を身に付けさせるとともに、交通安全についての関心を高めさせ、さらにはその習慣化を図ることにより、交通事故防止の目的を達成しようとするもので、昭和41年に第1回大会を開催、本年で第50回を迎えました。
47都道府県の代表選手188人が出場
地方予選大会には1,031小学校(1,269チーム)が参加し、ここで選ばれた692小学校(778チーム)によって都道府県大会が行われ、この都道府県大会で優勝した47チーム188人の選手が全国大会の競技に参加しました。
午前8時から東京ビッグサイト会議棟1階で受付が開始され、同30分からの競技に関する指示・説明後、午前9時から学科テストが始まりました。
学科テストでは、「自転車の交通安全ブック~自転車の安全な乗り方~」(全日本交通安全協会発行)に示されている交通規則、道路標識・標示及び自転車の安全な乗り方について60問が出題され、30分で解答しました。各選手の持ち点は600点で、本年は、残念ながら満点者はいませんでした。
学科テストから競技が始まる
学科テスト終了後、選手は東3ホールに移動して、開会式、実技テスト、表彰式が順次行われました。
まず、午前10時40分、選手たちが都道府県名と小学校名が記されたプラカードを先頭に整列し、開会式が行われました。昨年団体優勝した沖縄県石垣市立明石小学校から優勝旗の返還があり、同小学校に卓上優勝旗が贈られた後、全日本交通安全協会の野田健理事長から開会のあいさつがありました。
次いで、警察庁鈴木基久交通局長のごあいさつ、大山憲司審判長(全日本交通安全協会常務理事)から指示等があり、鈴木交通局長の「スタート」合図で沖縄県の第一走者の選手がスタートし、実技テストが始まりました。
野田健理事長の開会あいさつ(左)、鈴木基久交通局長のごあいさつ(中)、大山憲司審判長の指示(右)
今大会は前回優勝の沖縄県石垣市立明石小学校の宮根帆音選手がトップでスタートしました。
警察庁鈴木交通局長の「スタート」合図で安全走行テストの競技が開始された
実技テストでは、自転車の正しい乗り方と安全な走行を評価する「安全走行テスト」と自転車の乗り方の習熟度を評価する「技能走行テスト」が行われました。
使用自転車は24インチで、自転車乗車用ヘルメットを着用して行われました。
各選手の持ち点は600点で、安全走行テストが350点、技能走行テストが250点です。
安全走行テストでは、「信号機のある交差点の右折と左折」「信号機のない交差点の右折と左折」「横断歩道の通過」等のポイントで安全確認や右左折の合図、停止の合図等を正しく行っているかなどを審査しましたが、188人中83人が満点でした。
技能走行テストは、「遅のり走行」「S字走行」「ジグザグ走行」「デコボコ道走行」等を行う競技で、188人中32人の選手が満点でした。
競技終了後、表彰式が行われました。
表彰式では、団体優勝した愛媛県内子町立内子小学校と個人優勝の山脇平選手(広島県北広島町立芸北小学校)に、警察庁の掛江浩一郎長官官房審議官(交通局担当)から警察庁長官、全日本交通安全協会会長連名の賞状並びに優勝旗(団体優勝チーム)が、野田理事長から優勝カップとメダルがそれぞれ贈られました。また、文部科学大臣賞、NHK会長賞、朝日新聞社賞が団体優勝チームと個人優勝者に授与されました。
さらに、団体10位までのチームと個人8位までの入賞者には、野田理事長から全日本交通安全協会会長賞が贈られました。
<主 催> | (一財)全日本交通安全協会、警察庁 |
---|---|
<後 援> | 内閣府、文部科学省、日本放送協会、朝日新聞社、全国連合小学校長会、(公社) 日本PTA全国協議会、(一財)日本自転車普及協会、(公財)日本交通管理技術協会、日本自転車軽自動車商協同組合連合会 |
団体優勝した愛媛県内子町立内子小学校チーム
団体2位の愛知県碧南市立西端小学校チーム
団体3位の福岡県久留米市立小森野小学校チーム
個人優勝の山脇平選手(広島県北広島町立芸北小学校)
【団体入賞チーム】
順位 | 都道府県名 | 学校名 | 減点 |
---|---|---|---|
優勝 | 愛媛 | 内子町立内子小学校 | 160 |
2位 | 愛知 | 碧南市立西端小学校 | 175 |
3位 | 福岡 | 久留米市立小森野小学校 | 180 |
4位 | 秋田 | 北秋田市立鷹巣南小学校 |
180 |
5位 | 広島 | 北広島町立芸北小学校 | 195 |
6位 | 静岡 | 浜松市立三ヶ日西小学校 | 195 |
7位 | 福島 | 石川町立石川小学校 | 210 |
8位 | 佐賀 | 鳥栖市立基里小学校 | 210 |
9位 | 奈良 | 河合町立河合第三小学校 | 220 |
10位 | 埼玉 | 熊谷市立久下小学校 | 250 |
※ 同点の場合は、4名の技能走行テストの減点合計が少ないチームが上位となります。
【個人入賞者】
順位 | 都道府県名 | 学校名 | 氏名 | 減点 |
---|---|---|---|---|
優勝 | 広島 | 北広島町立芸北小学校 | 山脇 平 | 10 |
2位 | 愛媛 | 内子町立内子小学校 | 重岡拓郎 | 10 |
3位 | 広島 | 北広島町立芸北小学校 | 水野 南 | 10 |
4位 | 静岡 | 浜松市立三ヶ日西小学校 | 伊藤桃里 | 15 |
5位 | 福岡 | 久留米市立小森野小学校 | 西川晃生 | 20 |
6位 | 福島 | 石川町立石川小学校 | 小針雅史 | 20 |
7位 | 秋田 | 北秋田市立鷹巣南小学校 | 九嶋莉那 | 25 |
8位 | 福岡 | 久留米市立小森野小学校 | 蒲原寛大郎 | 30 |
※ 同点の場合は、技能走行テストの所要時間が短い選手が上位となります。
【過去10年間の上位入賞校】
回数 | 開催日 | 順位 | 都道府県名 | 学校名 |
---|---|---|---|---|
40 | H17.7.31~8.1 | 優勝校 2位 3位 |
山口県 大阪府 熊本県 |
山口市立宮野小学校 池田市立北豊島小学校 水俣市立湯出小学校 |
41 | H18.8.1~2 | 優勝校 2位 3位 |
京都府 山形県 大阪府 |
亀岡市立千代川小学校 尾花沢市立尾花沢小学校 池田市立北豊島小学校 |
42 | H19.7.31~8.1 | 優勝校 2位 3位 |
京都府 香川県 熊本県 |
亀岡市立千代川小学校 観音寺市立豊浜小学校 水俣市立湯出小学校 |
43 | H20.8.8 | 優勝校 2位 3位 |
徳島県 長野県 京都府 |
阿波市立林小学校 辰野町立辰野西小学校 亀岡市立千代川小学校 |
44 | H21.8.6 | 優勝校 2位 3位 |
山形県 山梨県 栃木県 |
尾花沢市立尾花沢小学校 北杜市立高根東小学校 大田原市立大田原小学校 |
45 | H22.8.5 | 優勝校 2位 3位 |
沖縄県 福島県 山形県 |
石垣市立明石小学校 石川町立石川小学校 尾花沢市立尾花沢小学校 |
46 | H23.8.3 | 優勝校 2位 3位 |
長野県 山形県 沖縄県 |
高山村立高山小学校 尾花沢市立尾花沢小学校 石垣市立明石小学校 |
47 | H24.8.1 | 優勝校 2位 3位 |
山形県 長野県 福島県 |
尾花沢市立尾花沢小学校 高山村立高山小学校 石川町立石川小学校 |
48 | H25.8.7 | 優勝校 2位 3位 |
静岡県 佐賀県 沖縄県 |
浜松市立平山小学校 鳥栖市立基里小学校 石垣市立明石小学校 |
49 | H26.8.6 | 優勝校 2位 3位 |
沖縄県 静岡県 山形県 |
石垣市立明石小学校 浜松市立平山小学校 尾花沢市立尾花沢小学校 |
【主な競技の状況】
○安全走行テスト
故障車脇の通過
信号機のない交差点の右折
○技能走行テスト
ジグザグ走行
8の字走行