(一財)全日本交通安全協会と警察庁の共催(内閣府・文部科学省・国土交通省後援)による第56回交通安全国民運動中央大会が、1月14日、15日の両日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷と同千代田区の日比谷公会堂で開催されました。
安全で快適な交通社会実現のため、交通事故防止、交通安全に係わる各分野の関係者が一堂に会し、一層強力な国民運動の展開を誓う本大会は、昭和36年から毎年開催されています。
秋篠宮同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、日比谷公会堂で開かれた本会議には、全国から関係者約2,000人が参加しました。
今井敬 全日本交通安全協会会長あいさつ
初日の分科集会は、東京・新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催されました。全国から約400人が集まり、「地域・家庭部会」「交通安全教育部会」「企業部会」の3部会が開かれました。各部会では、それぞれ、講師による基調講演が行われ、続いて交通安全対策についての意見発表と討議が行われました。
交通安全協会及び交通安全母の会役職員、地域交通安全活動推進委員等約150人が出席しました。モータージャーナリスト岩貞るみこ先生が「正しい知識が身を守る」と題して基調講演を行いました。主要議題の「地域における交通安全活動の推進方策及び交通安全に果たす家庭の役割、特に高齢者と幼児・子供の事故防止」について5人から意見発表があり、内閣府と警察庁の担当者による指導助言を受けた後、全員で討議を行いました。
基調講演を行う岩貞るみこ先生
地域・家庭部会での意見発表
交通安全指導員、警察官、教育関係者、自転車・二輪車安全運転指導員等約120人が出席しました。東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授小竹(しの)元基先生が「生活道路における高齢ドライバの不安全行動と認知機能から考える運転教育の一方策」と題して基調講演を行いました。次に、主要議題の「主として幼児、小学生、中学生、高齢者に対する交通安全教育の在り方及び効果的な実施方法」について5人から意見発表があり、文部科学省と警察庁の担当者による指導助言を受けた後、全員で討議を行いました
基調講演を行う小竹元基先生
交通安全教育部会での意見発表
企業の安全運転管理者・運行管理者、企業経営者・役員、運転者等約120人が出席しました。ジャパン セイフティ メンター代表(交通安全コンサルト)森﨑裕治先生が「企業における安全管理の仕組み作り」と題して基調講演を行いました。次に、主要議題の「企業における交通安全教育、交通安全活動の推進方策」について5人から意見があり、国土交通省と警察庁の担当者から指導助言を受けた後、全員で討議を行いました。
基調講演を行う森﨑裕治先生
企業部会での意見発表
第2日目の本会議は、秋篠宮同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、東京・千代田区の日比谷公会堂で開催されました。参議院議長等のご来賓をはじめ、交通栄誉章等の受賞者、前日の分科集会に出席した交通安全指導者等約2,000人が出席しました。
午後2時、今井敬全日本交通安全協会会長の先導で秋篠宮同妃両殿下が御臨場され、国歌斉唱、交通事故犠牲者に対する追悼の黙とうに続いて、今井会長が「交通安全思想普及の国民運動を一層力強く推進する決意をここに新たにする」とあいさつを行った後、秋篠宮殿下からおことばを賜りました。
おことばを述べられる秋篠宮殿下
続いて、安倍晋三内閣総理大臣(萩生田光一内閣官房副長官代読)、山崎正昭参議院議長、河野太郎国家公安委員会委員長(奥野知秀国家公安委員会委員代読)からあいさつをいただき、大島理森衆議院議長からのメッセージが司会者から読み上げられました。
内閣総理大臣のあいさつを代読する萩生田光一内閣官房副長官
あいさつする山崎正昭参議院議長
国家公安委員会委員長のあいさつを代読する奥野知秀国家公安委員会委員
その後、表彰に移り、交通栄誉章「緑十字金章」交通安全功労者・優良安全運転管理者受賞者114人を代表して遠山建治さん(香川県)、同優良運転者受賞者36人を代表して津曲龍治さん(愛知県)、交通栄誉章「緑十字銀章」交通安全功労者・優良安全運転管理者受賞者386人を代表して丸橋澄子さん(群馬県)、同優良運転者受賞者198人を代表して三橋文夫さん(東京都)に対して、金髙雅仁警察庁長官から警察庁長官・全日本交通安全協会会長連名の表彰状が、今井敬会長から交通栄誉章が、それぞれ贈呈されました。
交通栄誉章受賞代表者に金髙雅仁警察庁長官から表彰状が、今井敬会長から交通栄誉章が贈られた
続いて、交通安全優良団体44団体、交通安全優良事業所92事業所、交通安全優良学校48学校、優良交通安全協会58協会、優良安全運転管理者協議会48協議会を代表して、吉野町交通安全母の会会長の里田良子さん(奈良県)に、今井敬会長から表彰状が贈呈されました。
交通安全優良団体等代表の奈良県吉野町交通安全母の会里田良子会長に今井敬会長から表彰状が贈られた
また、交通安全協力企業として、トヨタ自動車株式会社の豊田章男代表取締役社長に、今井敬会長から感謝状が贈呈されました。
交通安全協力企業のトヨタ自動車株式会社豊田章男代表取締役社長に今井敬会長から感謝状が贈られた
次いで、平成28年使用交通安全年間スローガン最優秀入選者と交通安全ファミリー作文最優秀入選者の代表者に対する内閣総理大臣賞の授与が行われ、安倍晋三総理大臣代理の萩生田光一内閣官房副長官から、交通安全年間スローガンの「運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの」最優秀入選者の浦川泰治さん(北海道)と、交通安全ファミリー作文の「小学生の部」最優秀入選者の加藤由萠さん(宮城県)に、それぞれ、表彰状と副賞の目録が贈られました。
交通安全年間スローガン最優秀入選者代表浦川泰治さん(北海道)に内閣総理大臣賞が贈られた
交通安全ファミリー作文最優秀入選者代表加藤由萠さん(宮城県)に内閣総理大臣賞が贈られた
その後、前日の分科集会でまとめられた部会報告に基づいて作成された大会宣言を、全日本交通安全協会坪内恊致副会長(愛知県交通安全協会会長)が声高らかに読み上げ、大会は閉会しました。
大会宣言を読み上げる坪内恊致全日本交通安全協会副会長(愛知県交通安全協会会長)