令和4年度交通安全ファミリー作文コンクール最優秀作品の発表

令和4年度交通安全ファミリー作文コンクールの最優秀作品が発表されました。

このコンクールは昭和54年度から実施しており、家庭や学校、職場、地域等において交通安全について話し合ったこと、また、これらを通じて思ったことや感じたことについて作文形式で募集したものです。小学1年生から中学3年生まで4,806点の応募作品から選ばれた最優秀作(内閣総理大臣賞)をご紹介します。

令和4年度交通安全ファミリー作文コンクール応募要領

(警察庁発行 令和4年度交通安全ファミリー作文コンクール優秀作品集から)

主催 警察庁
一般財団法人 全日本交通安全協会
公益財団法人 三井住友海上福祉財団
一般財団法人 日本交通安全教育普及協会
後援 内閣府
文部科学省
協賛 全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)

小学生の部 最優秀作 内閣総理大臣賞

愛媛県愛媛大学教育学部附属小学校 2年

大近おおちか 伊熙ただおき

やさしいおうだん歩道の作り方

ぼくのいえの前にはおうだん歩道がある。このおうだん歩道はすごくべんりだ。ここをわたるとすぐにぼくの大すきなうんていの公園があるし、妹のようち園のバスのりばもある。でも、このおうだん歩道はちょっときけんだ。なぜなら信号きがないからだ。信号きがないから、ビュンビュン走る車がなかなかとまってくれない。車にぶつかったら一かんのおわりだ。むこうへわたるのは一くろうなのだ。お父さんが、
「伊熙だけや子どもだけではぜったいわたったらいかん。」
と言っているくらいきけんだ。

おとうさんといっしょにわたる時も、右を見て、左を見て、また右を見て車がとまってくれるまでまつ。手を上げないと車がぜんぜんとまってくれないおうだん歩道なのだ。

このべんりだけどきけんなおうだん歩道の近くには、時どきけいさつかんがきてくれる。

白バイにのったけいさつかんだ。
「手をあげて気をつけてわたるんだよ。」
と手をふってくれた。ぼくや妹がおうだん歩道を安全にわたれるようにまもってくれているってお母さんがおしえてくれた。

ぼくが車にのっていてしんごうきのないおうだん歩道を見つけた時は、わたりたい人がいないかようく見るのがやくそくだ。おうだん歩道の近くに人が立っていると、お母さんは「あの人はわたるのかな?立ちどまっているだけかな?」
と、とまるかすすむかまよってしまうみたいだ。ぼくは、おうだん歩道の前で手をあげていると「わたりたいよ!」とつたわりやすいことをはっ見した。だからけいさつかんもお父さんもおうだん歩道は手をあげてわたりなさいっておしえてくれたんだ。

それからは、ぼくと、お母さんと、妹と三人はおうだん歩道の前で手をあげる。妹は、右手も左手もあげている。お母さんがわらいながら車がとまってくれるのをまつ。手を元気にあげると、きけんなおうだん歩道だけど車がいっぱいとまってくれる。とまってくれた車のうんてん手さんにありがとうってにっこりおれいを言うと、うんてん手さんもにっこりしてくれる。わたらせてくれてありがとう!のうれしい気もちになる。

お父さんに、きけんなおうだん歩道は手をあげてわたるとすごくやさしいおうだん歩道になるってことをおしえてあげた。お父さんも手をあげれば車がやさしいおうだん歩道を作ってくれるからね。

ぼくは、これからもおうだん歩道をわたる時は車をよく見て、手を元気にあげてわたろうと思う。いつでも車がにっこりとまってくれるおうだん歩道をみんなでたくさん作りたい!

中学生の部 最優秀作 内閣総理大臣賞

岡山県岡山市立岡山中央中学校 2年

渡邊わたなべ 陽和ひより

交通安全啓発ポスター

私は四人姉妹です。夏休みに入ると、四人のうち少なくとも一人が「交通安全啓発ポスター」を一生懸命描きます。

まず、ポスターに描く題材について、家族会議が開かれます。家族それぞれが怖い思いをした経験や、目撃した危険行為について真剣に討論します。私たち四人姉妹は年齢が幅広いのに加え、親も話し合いに参加するため、徒歩通学、自転車通学、電車通学、車通勤など違った場面での様々な危険行為を目の当たりにします。

このように話し合いを進め、たくさん出た意見の中から自分が一番危ないと思った行為への啓発を題材にしポスターを描いていきます。そして、それを伝えたい相手を想いながら標語、絵、構図を考えます。悩みに悩んで何日もかけて描き上げるのです。

「スマホを操作しながらの運転」、「飲酒運転」、「信号無視」、「歩行者妨害」など私たちはたくさんの交通安全啓発ポスターを描いてきました。

しかし私たちはふと、私たちが真剣に取り組んで完成させたこのポスターは、車を運転する大人たちの心に届いているのだろうか。そして、このポスターによって交通違反や交通事故は減ったのだろうか。と思ったのです。

私の家は大きな交差点と大通りに面している関係で、登下校の時にたくさんの車がパトカーに追いかけられるのを目撃し、夜中にはパトカーのサイレンの音がうるさいほどに聞こえてきます。交通ルールを守らない人がなんと多いことかと実感する毎日です。

そして、私たちはまた家族会議を開き、交通違反を止めるため、この鳴りひびくパトカーのサイレンを止めるためにはどうしたらいいのかと話し合いました。

そして私たちは考えました。大人たちは私たちがこんなに一生懸命ポスターを描き上げ想いを届けようとしていることに気が付いてくれているのだろうか。本当はこの交通安全啓発ポスターは大人たちも描くべきなのではないか。ということです。

ここで一つ提案です。免許更新の時、違反のある方は自分が犯した違反についてのポスター作製が義務付けられ、ポスターを提出しなかった場合は新しい免許がもらえない、というのはどうでしょうか。

真っ白な画用紙に向かい自分の違反を十分に反省しながら標語を考え、構成を考え、描き上げる。これを義務化することで、繰り返される違反行為は数を減らしていくだろうと確信しています。

そして私たちの宿題である「交通安全啓発ポスター」は、「自転車の正しい乗り方」や、「横断歩道で注意すること」、「歩きスマホの危険性」などの自分たちが犯しやすい交通違反を題材にするのが効果的だと思います。

大人も子供も自分が注意するべき交通違反は自分で啓発する。そうすることで今まで私たちが大人の運転ルールについて一生懸命描いたけれど伝わらなかったポスターたちは、自分たちの交通ルールに焦点をあてて描くことで役割を果たしてくれると思います。

ぜひ私たちのこの提案が皆さんに届いてくれたら嬉しいと思います。

令和4年度ファミリー作文コンクール受賞者一覧

[最優秀作]内閣総理大臣賞

(1)小学生の部

2年生 大近 伊熙(愛媛県愛媛大学教育学部附属小学校)「やさしいおうだん歩道の作り方」

(2)中学生の部

2年生 渡邊 陽和(岡山県岡山市立岡山中央中学校)「交通安全啓発ポスター」

[優秀作]国務大臣・国家公安委員会委員長賞

(1)小学生の部

  • 1年生 田中 遥馬(愛知県長久手市立西小学校)「みどりのおじさん、ありがとう」
  • 2年生 寺崎 廉人(茨城県結城市立結城西小学校)「おばあさんとのやくそく」
  • 3年生 飯塚 江梛(東京都府中市立府中第五小学校)「雨の日の交通安全」
  • 4年生 塚田 果南(埼玉県川口市立鳩ヶ谷小学校)「合言葉は「ななめ」」
  • 5年生 八幡 葵子(徳島県徳島市加茂名南小学校)「事故をなくすために、できること」
  • 6年生 足立 尭子(新潟県新潟市立新潟小学校)「ひき逃げ事故にあって」

(2)中学生の部

  • 1年生 山﨑 蓮(埼玉県さいたま市立大谷場中学校)「七年間続けていること」
  • 2年生 中根 壱弥(愛知県安城市立明祥中学校)「祖父から学んだ交通安全」
  • 3年生 槙山 颯空(愛媛県松山市立鴨川中学校)「準備の大切さ」

[優秀作]文部科学大臣賞

(1)小学生の部

  • 6年生 山下 真由(三重県度会郡度会町立度会小学校)「私の通学路」

(2)中学生の部

  • 1年生 岩佐 葵(栃木県国立宇都宮大学共同教育学部附属中学校)「母と決めた通学路」

[佳作]警察庁交通局長賞

(1)小学生の部

1年生
  • 田村 風葡(東京都新宿区立柏木小学校)「だれもかなしまないために」
  • 寺崎 友里愛(茨城県結城市立結城西小学校)「おはなのりゆう」
  • 和田 桃佳(徳島県徳島市津田小学校)「ちゃんととまってかくにん!」
2年生
  • 鈴木 里歩(栃木県那須塩原市立東小学校)「交つう安全への気もち」
  • 原 杏奈(茨城県筑西市立養蚕小学校)「はん長はたいへんです」
3年生
  • 篠山 純希(茨城県八千代町立安静小学校)「ちゅう車場でのとびだしちゅう意」
  • 東野 瑞月(群馬県高崎市立国府小学校)「交通安全のルール」
  • 前野 ちえり(栃木県那須塩原市立埼玉小学校)「命を守るヘルメット」
4年生
  • 諌元 妃莉(福岡県福津市立津屋崎小学校)「事故が教えてくれたこと」
  • 佐野 遥(東京都新宿区立四谷第六小学校)「自転車の安全」
  • 山岸 俐里花(福井県坂井市立東十郷小学校)「自転車で楽しく出かけるために」
5年生
  • 安藝 万莉菜(和歌山県橋本市立城山小学校)「より安全な登校のために」
  • 石榑 沙衣(神奈川県川崎市立平間小学校)「そういう気持ちをなくしちゃおう」
  • 森光 葵音(香川県多度津町立四箇小学校)「副班長としてできること」
6年生
  • 栗田 創介(福井県鯖江市中河小学校)「身近に起きた交通事故から考えること」
  • 田尾 奈愛(香川県高松市立中央小学校)「私の願い」

(2)中学生の部

1年生
  • 小林 奏和(栃木県宇都宮市立宮の原中学校)「横断歩道」
  • 寺田 寧々(宮城県仙台市立将監中学校)「安全な地域をつくるために」
2年生
  • 伊賀﨑 望(福岡県宗像市立自由ヶ丘中学校)「発信したい「自中スタイル」」
  • 知花 愛依(栃木県宇都宮市立横川中学校)「ドライバーとのコミュニケーション」
3年生
  • 遠藤 あかり(アメリカ財団法人ハワイ日本人学校レインボー学園)「世界の青色信号」
  • 嶋屋 勝仁(埼玉県越谷市立北中学校)「安全の生まれ方」
  • 白神 咲羽(岡山県倉敷市立真備東中学校)「交通ルールに思いやりを」
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